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アイルランド概要


位置 気候 主な都市 人と宗教 言語 アイルランドのイメージ



アイルランドのイメージ

「アイルランド」と聞いて、まず思い浮かべるもの。皆さんそれぞれアイルランドのイメージをお持ちではないかと思います。
ジェイムス・ジョイスやディケンズなどのアイルランド文学、ギネスを代表する黒ビール、映画「タイタニック」のシーンに登場したアイルランドの音楽とダンス。「妖精の国」として紹介されていることもあるようです。手芸好きの方にとっては、アランセーターやアイリッシュレースなどをイメージされるかもしれません。
また、北アイルランド問題やIRAといった政治的、宗教的に問題を抱えている国、というイメージをお持ちの方も多くいらっしゃることでしょう。

今までイメージで語られていたアイルランド、またそのイメージから無意識のうちに信じ込んでいたアイルランドという国。
実際に暮らしてみると、肌身で感じるアイルランドという国やアイルランド人が、それまでのイメージとはまったく違っていることに気がつき、最初は驚きました。

イメージというものは、私たちが何か新しいものを知ろうとする時に最初に出合うものではないでしょうか。
しかしいつまでもイメージに縛られていると、等身大のそれを理解する際のハードルにもなり得ます。


アイルランドのステレオタイプ化されたイメージ。緑、シャムロック、黒ビール、赤毛、妖精、ケルトなど


アイルランドは、私たち日本人にとってはなじみの薄いマイナーな国のようです。それゆえに、ついイメージが先行しやすいのかもしれません。また、イメージは商業目的にも使われやすく、時にはこれが一人歩きをしてしまうこともあるでしょう。
実際のアイルランド人は「ケルトの末裔」でもなく、アイルランドは「ケルト文化を継承する謎めいた国」でもありません。妖精と共に暮らしている神秘的な人々でもなければ、アイルランド人はみんな酒好きというのも違います。

アイルランドの人々は、私たち日本人と何ら変わらない近代国家に生きる人々です。
しかし、彼らの社会の中に暮らしていると、アイルランド人独特のユーモアのセンスに触れたり、ちょっと粗野で保守的な彼らの一面を垣間見たりします。アイルランドならではの社会のあり方、意外に知られていないアイルランド人の食生活や風習。アイルランドの歌や音楽、踊り、文学、工芸などの伝統文化。アイルランドの素顔の中には、やはり「何かアイルランド的なもの」があるようです。

アイルランドに暮らす今の私にとっては、イメージで語られるアイルランドよりも、ありのままのこの国の姿を観察する方が、ずっと面白く感じられます。


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