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アイルランド人と宗教

アイルランド人を観察していると、実にさまざまな顔かたちがあります。ヨーロッパ大陸の人々とは明らかに顔立ちが異なり、「アイルランド人らしい顔」というものがあるように思います。
ブロンドや茶色の髪の毛の人が多いですが、一方で私たち日本人に負けないほどの黒髪を持つ人もいます。また、アイルランド人の典型として赤毛の人がよくステレオタイプとして登場しますが、実際には少数派です。
体格はそれほど大きいとはいえませんが、日本人よりはひとまわりかふたまわりほど大きいようです。近年ではアイルランド人の食生活が乱れ、アイルランドは肥満大国としても有名です。



アイルランドは彼らの歴史をひも解くと分かるように、ノルマン人やヴァイキングなどからたびたび侵略を受け、その都度異なる人種との混血を繰り返してきました。

アメリカをはじめ、日本でもアイルランド人=ケルト民族という宣伝文句が乱用されているようですが、アイルランド人たちからすると「自分たちは純粋なケルト人でもなく、あらゆる血がミックスしている結果なのにどうしてケルトだけがいつも取り沙汰されるのか」という感覚で、うんざりした顔をされることが多いです。

このあらゆる人種の混血によって我々現代のアイルランド人たちは形成されている、というのがアイルランド人たちのアイデンティティーです。実際に彼らの名字を見るとそのミックスぶりがよく分かり、面白いなと思います。

一般的なアイルランド人を表現することはとても難しいのですが、概して親切で飾らない人々である、といったところでしょうか。
「素朴」という表現が適当かどうか分かりませんが、プレーンな印象を受けます。

アイルランドの人々は、アイルランド人であることに強い誇りを持っています。
どの国の出身であっても、違う国籍に間違われるというのは決して快いものではありません。日本人にとってはマイナーな国であるアイルランドの人々は、しばしばイギリス人やスコットランド人などと混同されがちです。縁のない国のことなので仕方ありませんが、イギリスとアイルランドの過去の歴史を考えると特にイギリス人と間違えられることは、アイルランド人にとって非常に抵抗があります。



アイルランド出身(北アイルランドも含む)の著名人たち


アイルランドの概要を読むと、必ず言及されているのがアイルランド国民の宗教です。そこには、国民の8割以上がローマ・カトリック教徒であるとあります。これを読むと、それだけの割合のアイルランド人たちが敬虔なクリスチャンなのかと思いますが、実際はそんなことはまったくありません。若者たちはもちろんのこと、子どもを持つ親の世代のアイルランド人たちでさえ、教会に毎週通っている人たちはむしろ少ないのではないでしょうか。



ダブリンにある壮大な聖パトリック大聖堂


教会による失態が続く近年のアイルランドでは「アンチカトリック」「アンチ教会」の傾向も強く、私の周りにもこのような人々が多いです。

しかし、例えば結婚式はカトリック教会で行うとか、子どもが生まれた時には洗礼を受けさせる、お葬式は必ず教会で行うなど、彼らの信仰心の度合いとは無関係に、風習としてこれらの行事をカトリック式に行うことは一般的とされています。これらの風習は、親戚に合わせる顔がないとか、近所の目があるとか、いわば体裁を守るために行っているようにも見えます。

この傾向は私の住んでいるような村社会の農村地帯において顕著で、日曜日の朝11時前後に村の教会の前を通ると、駐車されている車の数に驚きます。

また、アイルランドでは昔から尼僧など神に仕える人々が学校教育を担ってきた歴史があります。この名残は現代のアイルランドの学校にもはっきり残っており、アイルランドの公立の小学校、セカンダリースクール(日本の中学校と高等学校にあたる)の多くはカトリック系です。
そのため、授業科目の中には「宗教」がありますし、毎朝教室で決まったお祈りをすることから一日が始まります。その地域の教会の司祭は学校を頻繁に訪れますし、今でも学校と教会の結びつきが強いのが特徴です。

私の夫は、「自分はカトリック教徒ではない」と明言していますが、教会の記録上では洗礼もすべて受けているし、れっきとしたカトリック教徒です。このような無宗教のアイルランド人たちが、どんどん増えてきているように思います。

とは言え、やはりある一定以上の世代の人々にとって、宗教(=カトリック)は彼らの道徳心を支えるよりどころであり、、びっくりするほど信仰心があります。日曜日に限らず時間があれば教会に通う人や、教会の前を通る時には必ず手で十字を切る人など、日常生活の中におけるカトリック教の色は非常に濃いと言えます。

アイルランドに暮らしていると、カトリック教徒であるかないかにかかわらず、この宗教がアイルランド人の精神構造を形成する土台になっているように感じることがよくあります。

日本人は世界の宗教問題に弱いとよく言われますが、このようにカトリック教徒であることが一般的な国民の姿であるアイルランド人たちにとって、あとから侵入してきたプロテスタント系(=イングランド人)の存在を受容することは難しいものです。北アイルランドはもともとアイルランドの一部であり、アイルランド共和国に含まれるべきであると考えるアイルランド人(=カトリック系)の人々は多いです。
北アイルランドで生まれ育ったカトリック系の住民も数多くおり(最近の調査では、北アイルランドにおけるカトリック系住民の数がプロテスタント系を初めて上回ったそうです)、近年ではIRA(アイルランド共和軍 Irish Republican Armyの略称で、北アイルランドを含むアイルランド統一を目指す武装組織)などの活動は沈静化しているものの、依然として北アイルランドにおけるカトリック系とプロテスタント系の人々の精神的な対立
は根深いようです。これが、北アイルランドを巡る宗教上のトラブルの概要です。


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