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アイルランド概要


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アイルランドの言語

アイルランドでは、ほとんどの地域で英語が日常語として使われています。
しかし、国が定めた第一公用語は「アイルランド語」です。というのも、アイルランドでは2,000年以上もの間、1800年頃まではアイルランド語が話されていました。お隣イングランドの何世紀にもわたる征服によりアイルランド語は失われ、現在ではごく限られた地域でしか話されていません。
逆の見方をすれば、アイルランドでは英語が話されてまだ200年そこそこである、ということになります。



1871年当時のアイルランド語を話す地域を色で示した地図。イングランドによる征服は東から迫ってきたので、アイルランド語は今でも西部の一部地域に残っている


一時期は「貧者の言語」などと卑下されたアイルランド語。国内における貧困や食糧難から逃れるため、イングランドやアメリカといった英語圏の国々へアイルランド移民が多数流出した時代においては、英語が話せることは生き延びるための絶対条件という風潮もありました。そんな背景も手伝い、アイルランド語は衰退の一途をたどったのです。
19世紀に入るとアイルランド文化の復興活動が盛んになり、アイルランド語も保護の対象となりました。今ではアイルランド語は義務教育においては必修科目であり、アイルランド語が話せなければ小学校の教師にはなれません。トップクラスの政治家や文学者などは教養としてアイルランド語を身につけていますし、アイルランド語専門のテレビやラジオのチャンネル、アイルランド語の新聞もあります。

アイルランドにはゲールタハト(Gaeltacht)と呼ばれるアイルランド語を日常的に使う地域が今でもわずかながら残っています。これらの地域は、上の地図をご覧いただいても分かる通り、ドニゴール(Donegal)、メイヨー(Mayo)、ゴールウェイ(Galway)、ケリー(Kerry)、コーク(Cork)、ウォーターフォード(Waterford)アイルランド西部に集中しているのが特徴です。
私の暮らすクレア州もアイルランド西部にありますが、残念ながら今ではクレア州にゲールタハトは存在しません。しかしながら、クレアの地域によっては20世紀前半に生まれたお年寄りの世代に、流暢なアイルランド語を操る人がときどきいました。この言語が失われてから、まだそれほど長い時が経っていないことを感じます。
一方では、学校におけるアイルランド語教育はますます強化される傾向にあり、国勢調査によるとアイルランド語を話せる国民の数は増加傾向にあるそうです。最近ではアイルランド語を学びにやって来る外国人も多く今後の動きが注目されますが、アイルランドの経済的な英語への依存率などを見ていると、残念ながら今後英語にとって変わることはなさそうです。一度失われてしまった言語を取り返すことは、安易ではないのです。


アイルランド語は、ときどき「ゲール語」と表記されているようですが、ゲール語とは正確にはインド・ヨーロッパ語族に属するアイルランド語、スコットランド語、マン島語などをひっくるめたものを指します。アイルランドで話されているゲール語が「アイルランド語」であり、英語でも「Gaelic(ゲーリック=ゲール語)」とは呼ばずに「Irish(アイルランド語)」と呼ばれるのが普通です。

これらのゲール語は、インド・ヨーロッパ語族ケルト語派に属します。アイルランドという国が、しばしば「ケルトの国」、「ケルトの末裔」などといった「ケルト」というキャッチフレーズのもとにイメージ化されてしまう理由の一つが、ここにあるのでしょう。



アイルランドの道路標識。地名はアイルランド語における綴りが必ず上部に来る


さて、アイルランドにおける英語は、文法や単語の用法など基本的にはイギリス英語とあまり変わりありません。
日本ではアメリカ英語が主流ですが、これとは表現方法などだいぶ異なります。

また、「アイルランドの英語はひどく訛っている」と思われる方が多いようですが、テレビのニュースキャスターや政治家などは正確な英語を話しますし、アイルランドの語学学校で習う英語もきちんとしているはずです。

アイルランドにおける英語事情に関しては、「英語」のページで詳しく書いていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。


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