暖房設備 | 水道代はなし | ごみの出し方 | 何もないところから | 質素という美徳 |
質素という美徳
日本に住んでいた頃はとにかく周りにものが溢れていて、ものを買わない生活、持たない生活をするのはとても難しかったように思います。それが、ここアイルランドでの田舎生活は環境がずいぶん違います。田舎なのでお店を物色することがめったになく、まずは物欲がなくなりました。
また、アイルランド人の暮らしぶりを見ていると、その質素な生活ぶりが私にとってはちょっとした衝撃でした。例えばアルミホイルやサランラップは何度も使いまわす、タオルは原形をとどめなくなるまで雑巾などとして使い古す、シミのついた服や穴の開いた服でも普段着として着続ける。これは、ものを買うお金がないとかけちとかではなく、むしろものを大事にするという精神のようで、何も考えずにポイポイとものを捨てていた自分とは対照的でした。
家庭の必需品でさえまともになかった結婚当初は、今思うとずいぶん不便な生活をしていました。家電に頼らず自らの手で作業をするので時間もかかります。
でもしばらくすると、これが返って自分の時間のペースをスローダウンしてくれていることに気がついたのです。それと同時に、便利な物に頼った生活は、実は自分のライフスタイルを更にせわしなくさせているのではないか?そう感じるようになりました。
今では洗濯機は大活躍ですし、テレビもリビングルームに居座っています。でもできるだけものに頼らない生活を送ること、そして所有しているものに対しては愛着を持って最後まで使い続けることを学んだように思います。。
アイルランドに来て学んだこの質素という美徳は、いつまでも大切にしたい生活のあり方です。