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自然の恵み
毎年夏の終わりになると、家の周囲の垣根やあぜ道に沿ってブラックベリーを摘みます。この季節になるとフィークルの周辺は甘くておいしいブラックベリーでいっぱいになります。真っ黒に熟したブラックベリーの実は、ジャムにするととてもおいしいのです。自然に育っているので農薬などの心配もなく、そのまま口に入れても安心です。
自然界で育つ、こうした食べられる植物やベリーのことを英語でワイルドフード(Wild food)といいます。日本語の「山菜」に近い言葉なのかもしれませんが、ワイルドフードにはきのこ、ハーブ、ナッツ類なども含まれます。人の手で栽培されるのでなく、野生でありながら食用として知られているフードのことなのです。
芝を押しのけて育つマッシュルーム
アイルランドに来て間もなかった2006年の夏、大家さんの牧草地でマッシュルームが大繁殖しました。
アイルランドでは最も一般的なフィールドマッシュルームと呼ばれる白いきのこです。スーパーでも売っていますが、香りとコクがあって同じものとは思えないほどおいしかったです。昔はどの牧草地でも普通に採れたらしいのですが、化学肥料を散布するようになってから野生のものはすっかり姿を消してしまったそうです。この大家さんの牧草地は化学肥料を蒔いておらず、それでもマッシュルームが出てきたのは数年来のことだそうで、その生命力の強さには驚かされます。
ワイルドフードは専門書まで出ているほど幅広く、知れば知るほど面白い分野です。
今では私もすっかりその魅力に憑りつかれ、6月に咲くニワトコ(Elder エルダー)の花でシャンパンを作ったり、ブラックベリー、タンポポやハリエニシダ(Gorse ゴース)の花のワイン、ムラサキツメクサのお茶、焼き菓子に利用できるハシバミ(Hazel ヘーゼル)の実など、自然からの貴重なおすそ分けで作る楽しさを覚えました。
イラクサ(Nettle ネトル)の葉から作った定番のスープ